それは、新オフィスへの移転が終わって少し経った2018年5月下旬のこと。N2iに1本の電話がありました。
電話をかけてきてくれたのは、江南市立西部中学校2年の生徒さん。曰く、「人工知能(AI)や2045年問題について調べており、N2iに話を聞かせてもらえないか」とのこと。
詳しく話を聞いてみると、総合学習で企業に話を聞きに行くという授業があり、5人程度のグループで来社したいが、受け入れは可能かどうか、との問合せでした。
エンジニアが快く引き受けてくれたので、11月中旬にご来社いただく運びとなりました。
中学生と総合学習とN2i
とはいえ、中学生を受け入れるというのはN2iでは初めてのこと。自分たちが中学生の時はこのような素晴らしい授業がなかったので、何をどう進めるか、手探りの状態です。
何か参考になるものがあるかと色々調べてみたところ、東京工業大学の渡辺澄夫教授が数学と人工知能という資料を公開されているのを見つけました。
また、訪問学習で中学生の受け入れをしている先輩企業の情報がいくつか見つかりました。
- 三菱重工グループ
- プラス株式会社
- 日本マイクロソフト株式会社(マイクロソフトさんは事前に課題もあって、かなり本格的です。)
これらの情報を参考に、N2i での総合学習は、次の二つの目標を達成できる内容として組み立てることになりました。
- 人工知能とは何かを人に説明できるようになる。
- 人工知能を使って何ができるか、自分でアイデアを考えてみる。
中学生に人工知能を説明する
当日は、エンジニアの田中と徳住が講師を務め、次のアジェンダで学習を進めました。
- 人工知能の業界事例(とにかくたくさん紹介)
- シンギュラリティと2045年問題
- 人工知能の中身について(機械学習の仕組み)
- こんなのあったらいいなを考える
- N2i のエンジニアが考える人工知能
人工知能については、メディア等で「私たちの仕事を奪うもの」と紹介されることも少なくなく、一般には漠然とネガティブなイメージがついて回ります。
こういった経緯の中で、この記事を書いている広報担当が印象深かったのは次の2点。
- シンギュラリティという点では、AlphaGoの登場により、人はすでにAIに負けている。
- 関数の作り方さえ知っていれば、人工知能は怖くない。いくら学習してもロボットは学習した以上のことはできない。
中学生の考える「人工知能、あったらいいな」
これらの話を元に、「人工知能をこうやって使ってみたい」「学校や普段の生活の中で人工知能でやったらよさそうなもの」を考えてもらうと…
とてもたくさんのアイデアがありました!
そして、発表されたアイデアを、それを実現できそうな手法ごとに講師が分類します。
- 何かロボットなどにやって欲しいこと、人がやっていることを真似させたい場合は強化学習で。
- 将来どうなるか教えて欲しいといった予測は機械学習で。
- 質問をしたら答えてくれたり、ノートにまとめてくれたり、といったことは自然言語処理で。
その他、GANやIoTで解決できそうなアイデアもありました。
中学生に送る言葉
人工知能をただ無闇に恐れるのではなく、それを正しく理解して、自ら作ってみよう!利用してみよう!という方向に意識を向けてもらうことができれば、今回の授業は成功だと思っています。
最後に田中が紹介した、世界的に著名な発明家やアーティストの言葉が、これからの未来を作っていく若い方達にとても刺激的だと思いましたので、こちらでもご紹介したいと思います。
人間が想像できることは、人間が必ず実現できる。ーフランスの小説家、ジュール・ヴェルヌ
未来を予測する最前の方法は、それを自ら発明することだ。ーパーソナルコンピュータの父、アラン・ケイ
「発明」と聞いて、ゼロからものを生み出すのは大変!と思った皆さんも大丈夫。天才だって、最初は真似から始めています。
「凡人は模倣し、天才は盗む」と ピカソは言った。だからすごいと思ってきた様々なアイデアをいつも盗んできた。ー Apple創業者、スティーブ・ジョブス
商工業の世界では誰もが盗む。わたしもずいぶん盗んだものだ。 肝心なのは、いかに盗むかである。ー発明家、トーマス・エジソン
何もまねしたくないなんて言っている人間は、何も作れない。ーアーティスト、サルバドール・ダリ
誰だって最初はそうだ。そしていつか、誰かが君から盗む日が来る。ー映画監督、フランシス・フォード・コッポラ
ただし、天才は真似だけには終わりません。真似したものを組み合わせることで、新たな価値を生み出しています。
今回授業に参加してくれた皆さんも、「人工知能」と「何か」を組み合わせてみたら、「何か新しいもの」を作り出すことができるかもしれませんね。
講師の感想
講師は二人とも、想定していたよりたくさんのアイデアがあったことがとても嬉しかったようです。
想定していたよりもたくさんのアイデアが出てきて驚きました!
学生さん達に人工知能について少しでも新たな理解や発見があれば嬉しいです!
みなさん真剣に話を聞きながら一生懸命ノートをとっておられたのが印象的でした。
自分の今の生活に当てはめて、人工知能をどのように活用したら自分の生活が変わるのか、考えるいい機会ができたのではないかと思っています。
学生のみなさんからのいろいろな意見やアイデアを聞くことができ、私自身も刺激を受けました。
今日の話で人工知能に興味を持っていただいて、いろいろなアイデアを出せる人になっていただけたら嬉しいなーと思います。
江南市立西部中学校の皆さん、素敵な機会をありがとうございました!またいつか、お会いしましょう!
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【2019/07/25 追記】
この記事を読んで、僕も・私も人工知能・AIを勉強してみたい!と思った中学生・高校生のみんな!
2019年の夏は、こんなイベントを企画しています。よかったら参加してみてくださいね。
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ATS(採用管理システム)の自社開発を行なっています。