11月11日といえば、みなさん何の日かご存知でしょうか?
こちらでご紹介した「ポッキープリッツの日」もそうですが、近年注目を集めているのが中国の「独身の日」です。「独身の日」と聞いてピンとこなくても、「中国最大級の買い物の日」と聞けば、ニュース等でご覧になったことのある方も多いのではないでしょうか。
日本企業も、積極的にこの商戦に打って出て、売り上げを伸ばしている企業があります。
2017年の独身の日の売上げは、前年を39%上回る253億ドル(なんと約2.9兆円!)でした。
これを支える「Alibaba Cloud」は、1日に約8億件の総注文数、ピーク時には1秒間に約25.6万件の決済処理を捌くことのできる性能を持ちます。
バーチャルで化粧品を試せたり、洋服を試着できるなど、私などは、これだけの売上げを支えている(落ちない)仕組みの方が気になってしまう質…。
今回は、この「買い物の日」を支える、人工知能(AI)を含む様々な技術をピックアップしてみたいと思います。
「独身の日(買い物の日)」を支えるアリババの人工知能テクノロジー
広告
AIを使って広告を自動最適化。バナーや広告のポスターなどを制作するAIツールを用い、商品の素材データから毎秒8000枚のバナーを生成。昨年のセール期間中にはパーソナライズした4億1000枚のバナーを作成。
需要予測
傘下の「Tmall」に自然言語処理とマシンラーニングを活用した「Tmall Smart Selection」と呼ばれるAIソリューションを導入。AIを活用した商品レコメンドを行うことで、出店者は正確な需要を予測できる。
チャットボット
90%の音声認識能力を誇るAIチャットボット「Dian Xiaomi」。顧客との会話から感情を認識し、人間のカスタマーサービス担当とも連携。一日に350万人のユーザーが利用する。
物流
自動化の進む倉庫では、200台以上のロボットが一日に100万件の出荷作業を行なっている。また、ドローンを用いた配達も行っている。
O2O
AR技術を用い、実店舗に出現するクーポンや「紅包(現金)」を探すゲームを展開し、オンラインのユーザーを実店舗に誘導。
Alibaba Cloudとデータセンター
データセンター運用にもAIを活用。大量のデータによるシステム停止を防ぐためのテストツールを用いてネットワークを常に監視。障害の発生場所を特定し、ネットワーク障害の60%以上を自動で復旧。
Alibaba Cloudの中身については、こちらが詳しいです。
アリババの創業者であるジャック・マー(馬雲)氏は、
「独身の日は、儲けるためにあるのではない。最新テクノロジーを成長・進化させるためにある」
とメディアの取材に答えているそうです。
今年の「独身の日(買い物の日)」が終わると、今回用いられた最新の取組みがきっと発表されるのでしょうね。
中国政府は2030年までにAI産業を1兆ドル規模に押し上げる構想を描き、アメリカを超えようとしている。
いやはや、いやはや。
11月11日は、セールに参戦するもよし、セールの裏で稼働しているテクノロジーに想いを馳せるもよし、ポッキーとプリッツを食すもよし。様々な楽しみ方ができそうです。
おまけ。
国内でいつ頃から独身の日を耳にするようになったかとGoogleトレンドを調べてみたところ、2015年が転換点でした。
以降、国内でもヤフーが「いい買い物の日」楽天が「おひとりさまDAY」として追随するなど、「独身の日」にあやかったキャンペーンは国内でもすっかり定着した感があります。
いつしか「買い物の日」として定着した11月11日、その経緯はこちらでご覧いただけます。
アリババの推進する「ニューリテール戦略」にご興味のある方は、こちらもどうぞ。
その他の参考文献
アリババ、「独身の日」の取引総額が過去最高--253億ドル - CNET Japan
「世界トップのAI企業」目指すアリババ、1.7兆円をR&Dに投資 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
中国アリババにとっての「独身の日(11月11日)」の意味、最先端技術を盛り込んだECサイトの裏側 | Digital Innovation Lab
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