今回は、人工知能(AI)の話からそれますが、ずっと気になっていた「QRコードの再沸騰」について。
株式会社デンソーウェーブ(当時はデンソーの開発部門)から1994年に発表されたQRコード。主に製造業界、物流業界、小売業界でバーコードの代替として使われてきました。その後、チケットや広告にも使われるようになり、一般の方も目にする機会が増えました。
スマホのカメラ機能でコードが読み取れる上、個人でもQRコードが手軽に生成できるので、イベント等でWebサイトの告知をしたりするのに、お使いの方も多いと思います。
しかし、ここにきてQRコードが盛り上がっているのは、これまでの市場とは少し異なる「モバイルペイメント」の分野です。しかも、中国で普及し、国内の決済市場でシェア拡大の動きが広がるという、逆輸入の状態です。
中国ではなんと、露天商もQRコードで決済しているそうです。*1
残念ながら中国語は読めないので、詳しいところが分からないのですが、こちらはAlipay(アリペイ)に関する中国語の情報です。2017年2月の時点でこんな風に裾野が広がっていたんですね。
(source: http://www.ebrun.com/20170217/215941.shtml)
現金主義が根強く、キャッシュレス化率が低い日本において、米アマゾンが日本から展開を始めるほど、QR決済は身近になってきています。
ファミリーマートでも。
この夏には、QRコード決済の手数料を無料にするサービスも登場し、シェア獲得競争が激化しそうです。
先にご紹介した東洋経済ONLINEの記事によると、米アマゾンが日本を重視する背景には、キャッシュレス比率の低さがあるそうです。
日本のキャッシュレス決済比率は2015年時点で18%。韓国(89%)や中国(60%)、米国(45%)などと比べ圧倒的に現金主義が根強く、それに伴う不便が残っている。「アマゾンとして現金からスイッチする決済手段を提供するにあたり、日本ほど利便性を上げられる”幅”が大きい市場はない」(井野川氏)。
他国と比べてクレジットカードが普及していない日本で、QR決済がどこまで普及するかは見ものですが、フリーマーケットや露店での少額決済から、海外からの訪日客へのスムーズな決済など、小売店にはかなり恩恵がありそうです。
前回ご紹介したスマートマットもそうですが、既存の技術が改めて評価されるケースで、QRコードが決済インフラの中心になりそう、とは思っていなかったので、少し衝撃を受けています。
日本で生まれたQRコードですが、中国の規模でシェアが高まると、世の中のインフラになり得る。なるほど。
QRコードの開発秘話が気になる方は、こちらもどうぞ。
個人的には、特にタクシー業界での普及に期待したいです。関東ではクレジットカードや交通系ICカードを利用できるタクシー会社が増えていますが、関西方面(特に個人)はクレジットカードすら拒否されることが多いです。当面の手数料が無料ということで、QR決済、どうでしょうか…。
※ QRコードは、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
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