
新規事業の検討では、アイデアそのものに意識が向きやすい一方で、見落とされやすいのが「誰の課題を解くのか」という視点です。
実際、事業開発担当や経営企画担当の方からは、次のような悩みをよく聞きます。
- 事業アイデアはあるが、誰に刺さるのかが曖昧
- ターゲットが広すぎて、提案内容がぼやける
- 顧客像を深掘りできず、価値検証が進まない
- 社内で「その顧客は本当に困っているのか」と言われて止まる
新規事業では、提供する機能や技術よりも先に、誰のどんな課題を解くのかを明確にすることが重要です。
ターゲット顧客が曖昧なままだと、提供価値も、営業方法も、PoCの設計も定まりにくくなります。
そこで本記事では、
新規事業のターゲット顧客をAIで整理するための実務プロンプトを紹介します。
新規事業開発担当、経営企画担当、事業責任者の方が、事業アイデアを顧客視点で具体化したいときに活用しやすい内容です。
今回紹介するプロンプト
まずは実際のプロンプトを紹介します。
ChatGPTなどの生成AIに入力することで、事業アイデアに対して、狙うべき顧客像や優先的に見るべきターゲットセグメントを整理しやすくなります。
あなたは新規事業開発に強い事業戦略コンサルタントです。
# 背景
企業内で新規事業の立ち上げを検討しており、事業アイデアはあるものの、ターゲット顧客の整理が十分ではありません。
誰のどんな課題を優先的に解くべきかを明確にしたいと考えています。
# 指示
以下の情報をもとに、この事業アイデアに適したターゲット顧客を整理してください。
事業アイデア:
提供価値:
自社の強み:
現時点で想定している顧客:
迷っている点:
# 出力条件
・実務で社内提案や仮説整理に使いやすい内容にする
・顧客像を具体化する
・ターゲットの優先順位が分かるようにする
・課題の強さや導入可能性にも触れる
# 出力内容
以下の形式で整理してください
・優先ターゲット候補
・顧客属性
・抱えている課題
・この事業が刺さる理由
・導入ハードル
・優先順位
・追加で確認すべき論点
このプロンプトでできること
このプロンプトを使うと、AIが新規事業アイデアをもとに、狙うべきターゲット顧客を構造的に整理してくれます。
例えば、次のような内容を短時間で言語化できます。
- どの顧客層を優先すべきか
- 顧客ごとにどんな課題があるか
- なぜその顧客に刺さる可能性があるのか
- 逆に、どの顧客は初期ターゲットに向かないか
- 仮説検証で追加確認すべき論点は何か
新規事業では、つい「多くの企業に使える」「幅広い業種に提案できる」と考えがちです。
しかし、初期フェーズではターゲットを広げすぎると、提供価値が曖昧になり、検証もしにくくなります。
生成AIを使うことで、事業アイデアを具体的な顧客像に落とし込むためのたたき台を作りやすくなります。
使い方
このプロンプトは、次の手順で活用できます。
①生成AIツールを開く
ChatGPTなどの生成AIツールを開きます。
②プロンプトを入力する
上記のプロンプトをコピーして入力します。
③事業アイデアの情報を入力する
現在検討している新規事業案に合わせて情報を入れます。
例
提供価値:属人化した知見の可視化、教育時間の削減、問い合わせ対応の効率化
自社の強み:生成AI開発、業務理解、PoC立ち上げ支援
現時点で想定している顧客:中堅以上の製造業全般
迷っている点:現場責任者、教育担当者、経営層の誰を主ターゲットに置くべきか分からない
このように入力すると、AIがターゲット候補ごとの課題や優先度を整理してくれます。
活用メリット
このプロンプトを活用することで、次のようなメリットがあります。
| メリット | 内容 |
|---|---|
| ターゲットの具体化 | 漠然とした顧客像を、提案可能なレベルまで整理しやすくなる |
| 検証の精度向上 | 誰にヒアリングすべきか、何を確認すべきかが見えやすくなる |
| 提供価値の明確化 | 顧客課題に紐づけて価値を考えやすくなる |
| 社内合意形成のしやすさ | 「誰向けの事業か」を説明しやすくなる |
新規事業では、ターゲット顧客が定まるだけで、その後の打ち手がかなり整理しやすくなります。
このプロンプトは、アイデアを顧客起点で見直すための入口として使いやすい内容です。
ターゲット顧客整理で重要なポイント
ターゲット顧客を整理するときは、次の観点を意識することが重要です。
- その顧客は本当に強い課題を持っているか
- 課題に対してお金を払う理由があるか
- 導入の意思決定ができる立場か
- 自社の強みが生きる相手か
- 初期導入のハードルが高すぎないか
特に重要なのは、「困っている人」と「買える人」が同じとは限らないことです。
現場担当者に強い課題があっても、導入決裁者は別にいる場合があります。
そのため、ターゲットを考える際は、単に利用者像だけでなく、導入・運用・決裁まで含めた顧客像で考えることが重要です。
どんな企業に向いているか
このプロンプトは、特に次のような企業で活用しやすい内容です。
- 新規事業アイデアはあるが、ターゲットが広すぎて定まっていない企業
- PoCやヒアリングの前に顧客仮説を整理したい事業開発部門
- AIやDXを活用した新規事業を構想している企業
- 経営会議や社内提案に向けて顧客像を明確にしたい担当者
単なるペルソナ作成ではなく、事業として狙うべき顧客を見極めたい企業に向いています。
まとめ
新規事業では、アイデアや技術だけでなく、
「誰のどんな課題を解くのか」を明確にすることが重要です。
今回紹介したプロンプトを使えば、
- 優先ターゲット候補
- 顧客属性
- 抱えている課題
- 導入ハードル
- 検証すべき論点
を整理しやすくなります。
新規事業の構想があるものの、「誰向けに作るのか」で止まっている場合は、まずこのプロンプトで顧客像を整理してみてください。
生成AIやAIエージェントの活用をご検討の企業様へ
生成AIは、新規事業のアイデア出しだけでなく、ターゲット顧客の整理や市場分析、PoCテーマ設計の初期検討にも活用できます。
一方で、実際に事業として形にするためには、
- 顧客課題の整理
- ターゲットの明確化
- 提供価値の定義
- PoC(実証実験)
- プロトタイプ開発
といったプロセスが必要になるケースも多くあります。
N2iでは、企業の生成AI活用やAIエージェント導入について、PoC(実証実験)から開発まで一貫して支援しています。
例えば、次のようなご相談をいただくことが増えています。
- 新規事業に生成AIを活用できるか検討したい
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