
新規事業を検討する中で、アイデアや市場性はある程度見えてきたものの、次の段階で止まってしまうことは少なくありません。
- 事業の方向性はあるが、計画として整理しきれない
- 売上や費用の考え方が曖昧で、社内説明が通りにくい
- いつまでに何をやるのかが不明確で、実行計画に落ちない
- 経営会議や社内稟議に向けて、事業計画のたたき台を作りたい
新規事業では、アイデアや構想だけでは意思決定が進みにくく、事業計画としての整理が求められます。
特に、事業化の判断や予算確保を進めるためには、売上計画、コスト、実行ステップ、前提条件を一定の粒度で言語化する必要があります。
一方で、事業計画を最初から完璧に作ろうとすると時間がかかり、議論が止まりやすいのも事実です。
そこで有効なのが、生成AIを使って事業計画の骨子を短時間で整理することです。
本記事では、
新規事業の事業計画をAIで整理するための実務プロンプトを紹介します。
新規事業開発担当、経営企画担当、事業責任者の方が、社内提案や仮説整理のたたき台を作る際に活用しやすい内容です。
今回紹介するプロンプト
まずは実際のプロンプトを紹介します。
ChatGPTなどの生成AIに入力することで、事業アイデアをもとに事業計画の骨子を整理しやすくなります。
あなたは新規事業開発に強い事業戦略コンサルタントです。
# 背景
企業内で新規事業の立ち上げを検討しており、事業アイデアはあるものの、事業計画としての整理が十分ではありません。
社内提案や意思決定に向けて、売上計画、コスト、推進ステップ、前提条件を整理したいと考えています。
# 指示
以下の情報をもとに、新規事業の事業計画のたたき台を整理してください。
事業アイデア:
想定ターゲット:
提供価値:
収益モデル:
自社の強み:
現時点での懸念:
# 出力条件
・実務で社内提案に使いやすい内容にする
・数値は仮説ベースでよいが、論理が通るようにする
・売上、費用、実行ステップ、主要KPIを含める
・不確実な点は前提条件として明示する
# 出力内容
以下の形式で整理してください
・事業概要
・ターゲット顧客
・提供価値
・収益モデル
・初年度の売上計画イメージ
・主要コスト
・推進ステップ
・重要KPI
・前提条件
・成立に向けた主要論点
このプロンプトでできること
このプロンプトを使うと、AIが事業アイデアをもとに、事業計画として必要な要素を整理してくれます。
例えば、次のような内容を短時間でまとめることができます。
- 事業の全体像
- 誰に何を提供する事業なのか
- どう収益を上げるのか
- 初年度にどの程度の売上を見込むのか
- 何にコストがかかるのか
- どの順番で推進するべきか
- 計画成立のために何が前提になるのか
新規事業では、構想段階では議論が盛り上がっても、事業計画になると急に曖昧になることがあります。
生成AIを使うことで、アイデアを事業計画として話せる状態に変換するための骨子を作りやすくなります。
使い方
このプロンプトは、次の手順で活用できます。
①生成AIツールを開く
ChatGPTなどの生成AIツールを開きます。
②プロンプトを入力する
上記のプロンプトをコピーして入力します。
③事業アイデアの情報を入力する
現在検討している新規事業案を入力します。
例
想定ターゲット:中堅製造業の工場長、現場責任者、教育担当者
提供価値:属人化した知見の可視化、教育工数の削減、問い合わせ対応の効率化
収益モデル:月額利用料+初期導入支援費
自社の強み:生成AI開発、業務理解、PoC立ち上げ支援
現時点での懸念:継続利用されるか、どの価格帯なら受け入れられるか、既存ツールとの差別化が十分か
このように入力すると、AIが事業計画として整理すべき要素を一通り出してくれます。
活用メリット
このプロンプトを活用することで、次のようなメリットがあります。
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 事業計画の骨子を短時間で作れる | ゼロから考えるよりも、社内議論のたたき台を素早く用意しやすい |
| 収益化の論点が見える | 売上モデルや主要コストの整理が進みやすい |
| 実行計画まで見えやすい | 事業の立ち上げステップやKPIを具体化しやすい |
| 社内提案しやすくなる | 経営層や関係部門への説明材料を作りやすい |
新規事業では、最初から精緻な事業計画を作る必要はありません。
むしろ重要なのは、仮説としての計画を素早く作り、論点を洗い出すことです。
事業計画を整理する際に重要なポイント
事業計画を考えるときは、次の観点を押さえることが重要です。
- 誰からどう売上を得るのか
- 初年度の現実的な販売イメージはどの程度か
- 主要な費用は何か
- どの順番で事業を立ち上げるべきか
- 何が崩れると計画が成立しなくなるのか
特に見落とされやすいのが、数値の正確さより前提条件の明確さです。
初期の新規事業では、売上予測を正確に当てることは難しい一方で、「何を前提にこの数字を置いているのか」を明確にすることはできます。
そのため、事業計画では単に売上や費用を書くのではなく、
その計画が成立するための前提や仮説を見える化することが重要です。
どんな企業に向いているか
このプロンプトは、特に次のような企業に向いています。
- 新規事業アイデアはあるが、事業計画として整理しきれていない企業
- 経営会議や社内稟議に向けて、たたき台を作りたい担当者
- PoCの次に、事業化の見通しを整理したい事業開発部門
- AIやDXを活用した新規事業を検討している企業
単なるアイデア整理ではなく、事業としてどう進めるかを現実的に考えたい企業に向いています。
まとめ
新規事業では、アイデアや市場性だけでなく、
それをどう事業計画として整理するかが重要です。
今回紹介したプロンプトを使えば、
- 事業概要
- 収益モデル
- 売上計画
- 主要コスト
- 推進ステップ
- 重要KPI
を一通り整理しやすくなります。
新規事業の構想はあるものの、「計画としてまとめるところ」で止まっている場合は、まずこのプロンプトでたたき台を作ってみてください。
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