ビジネス界だけでなく、スポーツ界でもデータや最新技術を取り入れたイノベーションが度々起こります。
今回のNagoya AI Blogでは野球、サッカー、バレーボールでのデジタルイノベーションをまとめてみます。
野球の場合
野球は日米でも人気のスポーツということで、ニュースとして目につく機会も多く、古くは「ID野球」から、映画にもなった「マネー・ボール」、近年では「ビックデータ・ベースボール」とデータを活用した取り組みが盛んに行われています。
ID野球
ID野球は、メジャーリーガーだったドン・ブレイザー氏の「シンキング・ベースボール(考える野球)」が大きなヒントとなり、野村克也監督がヤクルトスワローズの監督を務めていた1990年代に広まりました。*1
感と経験に頼る野球が、データを活用する野球に変わりました。
マネー・ボール
2003年に出版されて一躍有名になったのが「マネー・ボール」です。2011年にはブラッド・ピット氏主演で映画にもなりましたね。
マネー・ボール〔完全版〕 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
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それまでの、バントや盗塁などで小さく刻んでいく戦術が、出塁率や長打力を重視する戦略へと大きく転換しました。*2
ビックデータ ・ベースボール
マネー・ボールから12年後の2015年に発表されたのがこちら。
ビッグデータのトレンドとも相まって、野球ファンやデータサイエンティストだけでなく、マーケターからの注目も集まっています。
エンジニアさん向けには、こちらの shinyorke さんのブログもご紹介しておきたいです。
人工知能の登場
そして今後の野球には、人工知能が取り入れられること必至です。
shinyorke さんのブログで書かれていた「古い野球観と新しい野球観の宗教戦争」について、PoC含め人工知能の開発を行っている弊社にはわかりみが深いですが、ソフトバンクホークスでは、
現在、ホークスでは選手からの疑問に対し、アナリストがスコアラーと協力してデータからアイデアを導き出している。アナリストを務める関本塁データ分析担当ディレクターはジャージー姿でグラウンドに立ち、選手とのコミュニケーションを通じて現場の感覚を得ている。こうした感覚に加え、将来はビッグデータの中から特徴を見つけ出すAIの活用などを視野に入れる。
このような取り組みがなされているようです。
さて、これ以降は野球以外のスポーツでの人工知能の活用事例をみてみます。
サッカーの選手発掘
データ分析といえば、米のSAS Instutue が有名ですが、そのSAS社が紹介しているのがこちらの事例。
バレーボールの試合分析
バレーボールはスポーツの中でもデータの活用が進んでいるそうです。
テクノロジが進化しすぎるとスポーツがつまらなくなる?
しかし、こうした人工知能の発展とともに、人が頭を使うことが減っていき、スポーツの面白みが失われていくのではないか、と懸念する声もあります。
確かに人工知能は人間より計算が早く、多くのデータを保持することができます。
一方で、どのような仮説を立て、有効な指標をどのように作るのかを人工知能に行わせるのは、まだまだ難しいところがあります。
テクノロジの変化でスポーツ選手に求められる知性も、どれだけ賢いシステムを作っていくのに寄与できるか、というものに変わっていくのではないかと考えています。