トランスコスモス株式会社の「消費者と企業のコミュニケーション実態調査」 2018年度版によると、「チャット」や「メッセージングアプリ」などのテキストコミュニケーションの経験者がこの2年で約3倍に増加しているそうです。
ビジネスで、プライベートで、皆さんも日々テキストメッセージでコミュニケーションをしているかと思います。
時にはその気軽さから、適切でないメッセージを送信して相手を混乱させてしまったり、感情が入りすぎたりと失敗してしまう事もあります。
特に日本語は、その曖昧さから自分の意図が間違って相手に伝わってしまう事もありますね。
そこで、AIで感情を分析できるIBM Watson Tone Analyzerをご紹介します。
※ 2019年5月時点では日本語未対応、英語とフランス語のみ対応するようです。日本語対応もぜひ期待したいです。
感情を分析してみた
こちらはAPIから利用できますが、今回はデモサイトからテキストを入力し、判定してみました。
tone-analyzer-demo.ng.bluemix.net
とある電話製品のレビュー文を判定してみます。
まず人間の目で判断すると、こちらのレビューでは製品に対する評価は高いようです。
ただし、付属品に対しては不満があったようです。
分析結果は以下の傾向に分類されます。
- Anger: 怒り
- Fear: 恐れ
- Joy: 喜び
- Sadness: 悲しみ
- Analytical: 分析的な態度
- Confident: 自信
- Tentative: 抑制的な態度
では結果を見てみましょう。
こちらは分かりやすくJoyの感情が判断されています。
こちらは製品に対する不満がSadnessとして判断されています。
利用用途を考えてみた
- SNS投稿、チャット発言時の校正ツールとして
こちらは真っ先に思いつくものです。
自分で書いた内容が客観的に分析されることで、炎上しそうなSNS投稿や、物議を呼びそうな発言をあらかじめチェックするのに役立つのではないでしょうか。
- コールセンターの有人チャットの感情分析に
チャットの開始段階では、おそらくAnger(怒り)、Fear(恐れ)、Sadness(悲しみ)の要素が強いと想定できるので、やり取りを続けるうちに、これらの数値が減少するのか、増加するのか、分析してみると、顧客満足度の向上や社員教育に役立てることができそうです。
- チャットボットの感情分析に
チャットボットとやり取りをする顧客の感情を蓄積することで、顧客満足度やチャットボットの発言の品質向上に役立てることができそうです。
今後は人間の気分や感情を利用したサービスも増えてくるのではないかと思います。