機械学習やディープラーニングといった技術を使って、人工知能(AI)を実用化する取組みがさまざまな分野・業種の中で日々行われています。
今回ご紹介するのはこちら。
英Cambridge Consultants(ケンブリッジ・コンサルタンツ)社の「Turbo Clean(ターボクリーン)です。
食器洗浄の前工程を自動化するターボクリーン
ターボクリーンは、ディープラーニング技術を用いて食器洗いの前工程、回収した食器を食洗機に入れるまでを自動化します。
百聞は一見に如かず。
是非記事の中で紹介されているビデオをご覧ください。ロボットが、お皿やグラスを認識して、それぞれの食洗機に移動させていく様子がよくわかります。(グラスを割らないように扱えるロボットもすごい…!)
ターボクリーンは食器やゴミを識別するため、食事後の食器の組み合わせ数千パターンを写真で学習したという。現在では、6秒にトレイひとつ分を整理できるまでに能力が向上した。各物体を認識する時間は、約1000分の1秒単位だ。
興味深いのは、ボウル、お皿、コップなど食器を正確に認識するだけにとどまらず、学習していない新しい食器や置き方の組み合わせも問題なく識別するという点だ。
すごい性能ですね。
進むAI技術の導入、完全自動化の未来
食器洗浄器だけではなく、飲食チェーンのキッチンには、すでにいろいろな機械が導入されているので、このようなシステムの導入も敷居が低いのかな、と推察します。
ちなみに牛丼の吉野家ではすでにこのようなシステムを導入しているそうです。
吉野家が食器洗浄ロボット「CORO」導入...78%工数削減目指す
ライフロボティクス側は、「今回のCORO導入は、作業者の作業負荷の軽減、店舗の生産性向上だけでなく、お客様との接客時間増加による顧客満足向上の効果も期待できる」とコメント。加えて「食器洗浄工程へのCORO導入により、食器洗浄作業の労働時間は 2.3 時間から 1.8 時間に短縮。更なる取り組みにより0.5 時間まで、約 78%の工数削減を目指しています。
食器洗浄機から出てきた食器は濡れたまま、カメラで認識できる範囲までコンベアで搬送される。上部に設置されたカメラにより撮影され、画像処理により大きさや形を認識し、食器の種別を判別。判別された食器は、濡れたまま CORO により保持された後、食器格納場所まで搬送され、種類別に積み重ねられる。ある程度食器が積み重ねられると、従業員に通知する。
ターボクリーンは場所が必要なシステムなので、大型の施設や多品種メニューを展開している飲食店向けだとは思いますが、そういったところは人員確保に課題を抱えていることも多いと思います。
実際、帝国データバンクの調査によると、飲食店の84.1%で非正社員の人手不足が課題となっています。
AIの活用と共存。各産業でよい形で導入が進むことを願うばかりです。
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