「ムーアの法則は終わった」。
NVIDIAのCEO(最高経営責任者)を務めるJensen Huang氏は、アカデミック界で長年ささやかれてきた説について、大手半導体企業として恐らく初めて言及した。
Huang氏は、台湾・台北で開催された「COMPUTEX TAIPEI 2017」(2017年5月30日~6月3日)で、報道陣やアナリストに向けて、「スーパースカラーによるパイプラインの段数増加や投機的実行といったアーキテクチャの進化によって、ムーアの法則のペースは維持されてきた。だが現在は、そのペースが鈍化している」と語った。
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ついにひとつの時代が終わりを宣言されました。
「ムーアの法則」を知らない方もいるかもしれません。
ムーアの法則は、Intelの共同設立者であるゴードン・ムーア氏が1965年に、「トランジスタの微細化は非常に速く進み、集積度は毎年倍増していく」と提唱したことから生まれた。ただし、微細化の速度は1975年に、「2年ごとに2倍になる」と変更された。
簡単にいうと、「集積回路の密度が2年ごとに倍増する」という法則が終わったのです。
ここで重要な語句の確認をしておきましょう。
集積回路・・・ IC(Integrated Circuit)
中央処理装置・・・ CPU(Central Processing Unit ICの一種)
1990年代はまさにPentium 全盛期でした。新しいモデルが誕生するたびに処理速度が一新されていきました。夢のような時代です。新しいパソコンを買うたびに「処理速度が速すぎる!!」と感動していたことも懐かしく思えます。
下の図はムーアの法則と商品名を並べたものです。
毎年新しい集積回路(CPU) が誕生しておりそのスピードも向上していました。
しかし現在はどうでしょう。
回路は小さくなれど、処理速度には限界が見えてきました。
青い点が、1チップの上に搭載されるトランジスターの数。
黒い点が、処理速度を表しています。
ムーアの法則には限界が見えていました。しかし、今まで誰もその限界を口にすることはありませんでした。私もそうですが、希望を捨てきることができなかったのだと思います。
「ムーアの法則」が終わったことを知った私は、1つの時代が終わったように感じました。あっという間でした。
しかし、まだ希望はあります。次の新しい時代が見えています。その世界は、はるかに素晴らしい時代です。
それは、「量子コンピューター」と「フォトニクス」の時代です。
早く量子コンピューターを使ってみたいですね。
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