今年も残すところ3カ月となり、そろそろ2018年の「新語・流行語大賞」が気になる季節になりました。
昨年はどんな言葉が流行ったかと振り返ってみると、大賞が「インスタ映え」に「忖度」でした。すでに懐かしい感じがします。
今年ノミネートされるのでは?と個人的に期待しているのが、株式会社ZOZOの「ZOZOSUIT」です。昨年11月の発表に始まり、出荷の遅延、サイズ計測にまつわる悲喜こもごもなど、数々の話題を提供しています。スーツを着用した友人・知人の自撮り写真をSNSでご覧になった方も多いのではないでしょうか?
ちなみにN2iの社内で聞き込んでみたところ、やはり、いました。
- スーツが届いて体験できた人・・・1人
- まだスーツが届かない人・・・1人…。
そもそもZOZOSUITとは?
発表時のプレスリリースによると、ZOZOSUIT は、ZOZO社とニュージーランドのソフトセンサー開発企業であるStretchSense社の共同開発による採寸用ボディースーツで、伸縮センサーを内蔵しています。着用してスマートフォンと接続することで、人体のあらゆる箇所の寸法を瞬時に計測します。
計測した体型データは、ファッションECの課題である 「サイズの不安」 を解消するために使われます。
ZOZO社のプライベートブランド 「ZOZO」が展開する商品は、これらのデータに基づく「究極のフィット感」を実現するそうですが、その「フィット感」については、すでにあちらにこちらにレビューが上がっていますので、そちらにお譲りすることにして、Nagoya AI Blog ではもう少しZOZOSUITをテクノロジーの側面から追ってみたいと思います。
StretchSense
ZOZOSUITを共同開発したStretchSense社については、こちらに詳しい記事がありました。
StrechSenseのセンサーは従来のものと違い、柔らかく伸び縮みするシリコンでできているため、人間の体など曲線の多い対象にもピッタリと張り付き、繊細な動きまで正確に計測できる。
シリコン製のセンサーなので伸び縮みするんですね。
こちらの記事によると、ZOZOSUITは画像認識技術を使っているようです。
ZOZOSUITを身に着けて、専用のアプリの音声指示に従って時計回りに12枚の写真を撮影するだけで採寸は完了する。「マーカー」と呼ばれるZOZOSUITに描かれた300個超の白い円を目印に、画像認識技術によって撮影者の体を3Dで再現し、AIが自動的に洋服の製造に必要な肩幅や身幅、着丈といったサイズを割り出す。
他に同様の取り組みをしている企業がないかと深掘りしてみたところ、やはり、ファッションとパーソナライゼーションの分野はホットなようで、いくつかの取り組みが見つかりました。
米Original社の採寸アプリ「Bodygram」
こちらで紹介されているのは米オリジナル社の採寸アプリ「Bodygram」。
Bodygramは、コンピュータビジョンと機械学習を使用しています。
正面と横向きの写真を2枚撮影するだけで、採寸ができるそうです。採寸用スーツが不要!
Bodygramではコンピュータービジョンと機械学習を用いて、撮影された写真からサイズを割り出す仕組みを開発している。コンピュータービジョンとは画像データに処理を施し、コンピューターが人間の視覚と同様の認識をできるようにする技術だ。これにより、アプリで撮影された写真から顔や体の部位などをコンピューターが判断できるようにする。
この仕組みを他社も利用できるようにシステムを提供していく、とのことなので、今後の展開が非常に楽しみです。
アマゾンも、やはり。
こちらは米アマゾンの取り組みです。
日本でもいずれ展開されるものとして、アパレル業界の方は気にしておきたいですね。
2019年はアパレル業界のデジタルトランスフォーメーション元年に?
100人いれば100通りの体型があり、それを既存のS・M・Lといったサイズ展開でカバーするのは到底無理な話です。
「そこに行かなければ採寸できない」というこれまでの常識が、テクノロジーによって変わろうとしています。服を超えて、靴や下着、メガネといった身につけるものが、よりフィットするようになると、消費者の購入意欲も俄然高まりそうです。
2019年はアパレル業界のデジタル改革として「パーソナライゼーション」にさらなる注目が集まりそうです。
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