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サブスクリプションとは何か?最新書籍から学ぼう

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最近サブスクリプションという言葉をよく聞くようになってきました。

Googleトレンドで調べてみると、昨年の後半から今年初めにかけて、大きなトレンド(山)が確認できます。

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とはいえ、一口に「サブスクリプション」と言われても、その実態がよくつかめないでいた私。
そこで、2020年に発売された書籍2冊をピックアップし、サブスクリプションがそれぞれどのように記載されているかをまとめてみました。

2020年に発売されたサブスクリプションに関する書籍2冊

今回ピックアップしたのは、次の2冊です。

『サブスクリプションシフト DX時代の最強のビジネス戦略』 荻島 浩司 著
『サブスクリプションで売上の壁を超える方法」』 西井 敏恭 著

『サブスクリプションシフト DX時代の最強のビジネス戦略』とは

『サブスクリプションシフト DX時代の最強のビジネス戦略』(以下『サブスクリプションシフト』)は、日本発、クラウドベンチャーの雄 株式会社チームスピリットの創業者である荻島氏がSaaS/サブスクリプションビジネスが急成長する仕組みを解説した書籍です。

同書では、BtoB(ビジネス向け)のソフトウェアを中心にサブスクリプションが解説されています。
デジタルトランスフォーメーション(DX)についての解説も多く、DXやソフトウェアのサブスクに関する多くの知見を得ることができます。

『サブスクリプションで売上の壁を超える方法』とは

一方、『サブスクリプションで売上の壁を超える方法』は、株式会社シンクロの代表取締役社長であり、オイシックス・ラ・大地株式会社 執行役員兼 CMTとしてサブスクリプションモデルのEC戦略も担当する西井氏が「サブスクの教科書」という位置づけで書いた書籍です。

マーケティングの観点を中心に考察がされており、全てのサービス作りに通じる内容となっています。

サブスクリプションとは何か?

サブスクリプションシフトでは、第2章の章題が「SaaS/サブスクリプションとは何か」となっていて、ここに約50ページもの分量が割かれています。

第2章はこのように始まります。

前章では、DX時代のビジネスについて、そのカギが「新しいテクノロジー」「製品のサービス化」「新しいビジネスモデル」という三つの要素であることを説明しました。なかでも新しいビジネスモデルとして最も期待されているのが、SaaS/サブスクリプションです。
『サブスクリプションシフト DX時代の最強のビジネス戦略』より引用

ここでのポイントは、サブスクリプションモデルは「新しいビジネスモデル」である、という点です。

著書は続いて次の3点を挙げています。

  • 従来のパッケージソフトウェアビジネスとの違いは、クラウドを通じて常にユーザーと事業者が繋がっていること
  • データの蓄積によって、ユーザーにとっての価値を増進させていくことや、サービスをリアルタイムに拡張することが可能になる
  • 「会員制」で「期間購入型」「定額制」でサービスを提供していく形態

サブスクリプションとは何かがとてもわかりやすく言語化されています。

では、サブスクリプションで売上の壁を超える方法はどのように解説されているのでしょうか。
サブスクリプションで売上の壁を超える方法の「はじめに」で1行で簡潔に表現されています。

サブスクリプションとは、顧客が商品やサービスを使い続けたい気持ちをつくること
『サブスクリプションで売上の壁を超える方法』より引用

この文の前にマーケティングについての捉え方についても説明があり、そこには以下のように書かれています。

なぜならサブスクリプションは、新しいビジネスモデルの話ではなく、マーケティングの捉え直しの話だからです。
『サブスクリプションで売上の壁を超える方法』より引用

 

同じ2020年発行の書籍でサブスクリプションの知見も実績も豊富なお二人ですが、サブスクリプションは新しいビジネスモデルなのか否かで正反対の意見となっていて、正直なところ私は混乱しました。

皆さんはいかがですか?

混乱しつつもこの2冊の著書を読み進めると、サブスクリプション型のビジネスを推進するにあたって実行すべき点は両書は非常に似通っていることがわかります。

ビジネスの歴史のどこを切り取るのか、立ち位置によって「新しいビジネスか否か」表現の仕方が異なっていたのかと私は解釈しています。

サブスクリプションとは

この2冊から得た知見を元に考えると、サブスクリプションとは概ね以下のようになるのではないでしょうか。

  • 長期間にわたりに、ユーザーと事業者がコミュニケーションをとり続けるビジネスモデル
  • データの蓄積によって、ユーザーにとっての価値を増進させていくことや、サービスをリアルタイムに拡張することが可能になる
  • 「会員制」で「期間購入型」「定額制」でサービスを提供していく形態
  • 顧客が商品やサービスを使い続けたい気持ちをつくることを強く意識してマーケティングを行う必要がある

まとめ

以上、2020年に発売された2冊の書籍から、サブスクリプションとは何かをまとめてみました。本記事がサブスクリプション型ビジネスの理解を深めるきっかけになれば幸いです。

人生とは、商売とは、などの問いに対して信念を持って答えられる人は、生きていく上での強さがあるように思います。

サブスクリプリョンとは、という問いに対して答えられるようになることは、それらに匹敵するほど深いことではないかとこの記事を書きつつ思いました。

繰り返し自問自答することが1番大切なのかもしれませんね。

 

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