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AI事業の社内説得、どこから始める?──経営層が納得するプレゼンと資料構成のつくり方

名古屋と東京を拠点に活動するAI開発会社のN2iが、革新的なIT技術と最前線のビジネス情報をお届けします。

AIを使った新規事業や業務改善を進めたいと思っても、
「上層部が慎重でなかなか理解が得られない」
「資料の作り方がわからず、AI導入が止まってしまう」
という声は少なくありません。

特に愛知・名古屋のように、製造・人材・商社など既存事業の強い企業では、
「今ある事業を守る文化」が根強く、AI導入の“稟議の壁”が高い傾向にあります。

本記事では、AI事業を提案する担当者が押さえるべき
社内プレゼンの構成・ROIの見せ方・説得ロジックを、実務的に解説します。

なぜAI事業の社内合意形成は難しいのか?

AI導入の提案が通らない最大の理由は、**「効果が見えにくい」**ことです。

経営層が慎重になるポイントは、主に3つ。

  1. 費用対効果(ROI)が不明確

  2. 再現性が低そうに見える

  3. 運用責任の所在が曖昧

AIは“成果がすぐ出る魔法のツール”ではありません。
導入効果は「時間削減」「判断の質」「社員満足度」など複合的で、数値化が難しい。
そのため、経営言語でROIを語ることが、最初の一歩になります。

プレゼン資料の基本構成──5ステップで組み立てる

AI導入のプレゼンは、次の5構成で整理すると明快です。

構成 目的 押さえるポイント
① 背景と課題 なぜ今やるのかを明確化 業界の人手不足・DX動向・競合変化を数字で示す
② 現状の課題 経営課題に結びつける 「教育コスト」「対応工数」など経営視点に翻訳
③ 解決策(AI活用) 技術ではなく目的を語る 自動化ではなく“再現性のある改善”と位置づける
④ 効果・ROIの試算 投資判断を支える 削減時間・効率化率・社員負担軽減を定量化
⑤ 導入ステップ リスク低減を可視化 PoC→MVP→本開発の段階的ロードマップを提示

AIを導入する理由を「今だから必要」で語り、成果を数字で見せる。
これが稟議通過率を上げる鉄則です。

経営層が納得する「ROIの見せ方」

ROIを語る際は、定量効果+定性効果の両軸で示すのがポイントです。

定量効果(数字で見せる)

  • 時間削減型:AI面談導入により、人事工数を30%削減

  • コスト代替型:問い合わせ対応の外注コスト年間300万円を削減

  • 売上増加型:AI提案による成約率+15%

定性効果(組織の質で見せる)

  • 属人業務が減り、誰でも成果を出せる仕組み化

  • 若手人材の教育・スキル定着が早まる

  • 顧客体験の標準化・満足度向上

この2軸を「時間 × 精度 × 満足度」で整理すると、経営層が判断しやすくなります。
ROIは“投資回収率”ではなく、“組織力の改善率”として語るのが効果的です。

経営層が動く説得ロジック──“コスト”より“機会損失”

経営会議で響くのは、「やらない理由を潰す」ロジックです。

ロジック①:「コスト」ではなく「機会損失」で語る

AIを導入しないことで失われる売上・時間・人材の機会損失を数値化。
例:「問い合わせ対応に1件15分×月1,000件=250時間/月の損失」。

ロジック②:「PoC型でリスクを限定する」

最初から全社導入を狙わず、3ヶ月単位で“検証→評価→展開”のサイクルを提示。
これにより、失敗リスクを可視化し、上層部の心理的ハードルを下げます。

ロジック③:「チームで導入」して社内巻き込みを見せる

AI導入は情報システム部・現場・経営企画が連携するプロジェクトです。
一部門だけで進めると孤立化しやすいため、
“現場で使えるツール設計”を軸に、全体での合意形成を強調します。

NG例:説得がうまくいかないプレゼンの特徴

NGパターン 問題点
技術用語を並べすぎる 「AIを使うこと」が目的化してしまう
効果が定性的すぎる 定量的な比較・根拠がない
スケジュールが曖昧 実行計画が見えず、判断が先送りにされる
他社事例ばかり 「自社との関連」が伝わらず、リアリティがない

特に「ChatGPTを導入したい」とだけ伝えるのは危険です。
AI導入は手段であり、目的ではありません。
なぜ必要か」「どの指標を改善するか」を明確にしましょう。

成功の鍵:PoC支援を活用して“説得材料”をつくる

AI導入のプレゼンを成功させる最短ルートは、小さく試して証拠を作ることです。

N2iでは、PoC(実証実験)→MVP(最小実用版)→本開発という3段階で支援を行い、
「提案段階での実現可能性」や「投資回収シミュレーション」を一緒に設計します。

特にPoC段階で

  • 実際に業務データを使ったテスト

  • ユーザー満足度の事前検証
    を行うことで、プレゼンの説得力が飛躍的に高まります。

AIを“絵に描いた餅”で終わらせないためには、現場で動くプロトタイプを見せることが重要です。

まとめ──“通る提案”は構造で決まる

AI事業の社内プレゼンで大切なのは、
「何をできるか」ではなく「なぜ今やるのか」を明確にすることです。

上層部は常に、“事業として持続可能か”“再現性があるか”を見ています。
その視点を踏まえ、次の3点を意識しましょう。

  1. 課題を経営視点で翻訳する

  2. ROIを数値とストーリーの両面で語る

  3. PoC型でリスクを最小化する

AIは単なる効率化ではなく、事業変革の起点です。
愛知・名古屋の企業がこれを推進するには、
“社内を動かす力”と“検証を回す力”の両輪が求められます。


N2iでは、名古屋・愛知を拠点に、全国の企業様へPoC支援を行っております。
まずはお気軽にご相談ください。

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