名古屋と東京を拠点に活動するAI開発会社のN2iが、革新的なIT技術と最前線のビジネス情報をお届けします。
今回は、Googleがリリースした最新のAI動画生成ツール「Veo3」を使って、
弊社サービス『スピードAIプロト』の動画CMを実際に制作してみたプロセスをまとめてみました。
結論から言うと、AI動画は“ストーリーがあれば1時間でここまで作れる”という驚きの体験でした。
N2iが提供する「スピードAIプロト」とは?
「スピードAIプロト」は、N2iが提供する爆速のプロトタイピング支援サービスです。
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アプリやWebサービスを数日〜数週間でプロト化
- 20万〜という低価格で実際に動くプロトの開発が可能
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実際に“動くUI”で構想を具現化
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「触って確かめて、作るかどうか決められる」柔軟な新規事業検討が可能に
社内で「何か作りたい!」と思ったときの、“最初の1歩”をサポートするのがこのサービスです。
早速、Veo3でCM動画を作ってみた
今話題の生成AI動画ツール「Veo3」。
2025年5月から日本でも使えるようになり、早速試してみました。
▼まずは完成系はこちら
コンセプトからCMのストーリーを考える
ネタ出し
- すぐに届けるイメージを出したい
- 株式会社N2iは名古屋の会社
- 営業兼エンジニアが名古屋から東京まで走ったら面白そう
- 走ってる間にアプリが完成したら面白そう
- 取引先の会議に間に合ってプレゼンする
こんなストーリーで動画CMを作ろうと考えました。
ストーリーを完成させる
Veo3で作れる動画の長さは、8秒と決まっているので、だいたい2秒ごとだと4シーンを作ることができます。
ですので、1シーンにごとにまず動画プロンプトを作成していきます。
ストーリー
N2iの営業マンが、名古屋、静岡、東京を全速力で走り抜けて、
その間にアプリを完成させ、取引先の企画会議に間に合わせる
こんなストーリーを考えました。
シーンに分けるとこんな感じです。
シーン1:名古屋から営業マンが走る
シーン2:富士山をバックに新幹線より速く走る
シーン3:渋谷の街を全速力で走る
シーン4:取引先の会議に間に合わせる
テクニック1 イメージから先に作れ!
ストーリーというと、文章から考えがちですが、私の場合はイメージ画像から作ります。
画像を作ってから、その画像をChatGPTに与えて、プロンプトを詳細に書かせるほうが、
イメージに近いものが早く作れます。
まずはmidjourneyで画像を生成します。下記のプロンプトを英語に翻訳して画像を作ります。
最初に東京のイメージから作りました。
シーン3
東京のイメージは渋谷のスクランブル交差点を背景に営業マンを走らせました。
実際のプロンプト
「パソコンでプログラミングをしながら渋谷の街を全速力で走り抜けるスーツ姿の男性。
左手にMacのノートパソコン、右手でキーボードを打ちながら、全速力で走る。
男性は25歳、イケメンでメガネをかけスタイリッシュに走っている日本人男性。
ネクタイとジャケットが風になびいている。
広角レンズで撮影した画像にしてください。」
続いて、他のシーンです。
名古屋なので、名古屋城を背景に、どうせならありえない動画にしようと、甲冑を着た武将たちの間を走り抜けるイメージです。
シーン1
「パソコンを左の手の平において右手でキーボードを打っているスーツ姿の男性が全力で走り抜けていて、
名古屋城を背景に、武将たちが布陣して軍議をしている中を、兵士をかきわけてその男性が走り抜けていく。」
シーン2
「昼間に上記と同じパソコンを左手に持った男性が、
富士山を背景に左向きに全速力で走っており、
新幹線と同じスピードで並走している。」
シーン4
「走っていた男性がパソコンをもったまま取引先企業に到着し、
完成したアプリケーションを取引先社長に見せて、社長は非常に喜んでいる」
テクニック2
実際にはこれだけだと、大した画像はできません。
こんなプロンプトを入れてにリッチに仕上げます。
「内容をもっと表現豊かにしてmidjouney用のプロンプトに変更して」
そうすると、こんなプロンプトになります。
「息を切らしながらスーツ姿の男性が、左手の手のひらに載せたままのスリムなノートパソコンを抱え、モダンなガラス張りの取引先企業ロビーへ駆け込み、
パソコンの蓋を開いて輝く完成アプリのインターフェイスを誇らしげに社長へ提示する。
社長は驚きと喜びで満面の笑みを浮かべ、両手を胸元で合わせて歓喜し、床から差し込む暖かな自然光が祝福の雰囲気を演出。背景には洗練されたオフィス家具と都心のビル群がぼんやりと映え、浅い被写界深度とシネマティックなライティングでドラマチックに捉えられている 」
プロンプトを完成させる
あとは、イメージにあった画像をChatGPTにアップロードして、詳細な動画用のプロンプトを完成させます。
「シーン1
テーラードのネイビースーツを着た若い東アジア系ビジネスマンが、
左手の手のひらにスリムなシルバー製ノートパソコンを載せ、右手でタイピングしながら全速力で駆け抜け、
名古屋城前で戦議を行う侍大名たちの陣形の間を左方向へ突進し、兵士たちを波のようにかき分ける。
全身がフレームに収まり、ネクタイが後方に揺れ、ダイナミックなモーションブラー、浅い被写界深度、
シネマティックなライティングで捉えられている。
シーン2
テーラードのネイビースーツを着た若い東アジア系ビジネスマンが、
左手の手のひらにスリムなシルバー製ノートパソコンを載せ、右手でタイピングしながら全速力で駆け抜け、
通過する新幹線と同じ速度で並走する。
背景には日中の澄んだ空にそびえる富士山が威容を放つ。
全身がフレームに収まり、ネクタイが後方に揺れ、浅い被写界深度とシネマティックなライティングで捉えられている。
シーン3
テーラードのネイビースーツを着た若い東アジア系ビジネスマンが、
左手の手のひらにスリムなシルバー製ノートパソコンを載せ、右手でタイピングしながら全速力で駆け抜け、
渋谷スクランブル交差点を波のように人混みをかき分けながら左方向へ走り抜ける。
全身がフレームに収まり、ネクタイが後方に揺れ、カラフルなネオン看板とブレた通行人を背景に、
浅い被写界深度とシネマティックなライティングで捉えられている。
シーン4
テーラードのネイビースーツを着た若い東アジア系ビジネスマンが、
左手の手のひらにスリムなシルバー製ノートパソコンを載せ、右手でタイピングしながら全速力で駆け抜け、
息を切らしつつも勝利の表情で非常に明るく照明されたモダンなガラス張りの日本企業の会議室に飛び込む。
ノートパソコンの画面を持ち上げ、アプリケーションインターフェイスを誇らしげに提示しながら右手をガッツポーズで突き上げ、
「This is your application!」と叫ぶ。会議室の先頭に立つ日本人社長が盛大に拍手し、
数人の男性や女性、他の社員が英語で「Very fast!!」「Wow!!!! Great!!!」と歓声をあげる。
床から天井までの窓から差し込む暖かな自然光が東京のビル群を背景に、
微かなモーションブラー、浅い被写界深度、シネマティックなライティングで全身をドラマチックに捉えている。」
あとは、これを英語に翻訳して動画のプロンプトは完成です!!
Veo3にいれて動画を作成する
GeminiのFlowを使います。出力設定をVeo3にして先ほど作った英語のプロンプトを入れるだけで動画は完成します。
Veo3で作った完成品は8秒の動画です。
せっかくなのでN2iのロゴを光らせて作ってみる
番外編ですが、ロゴを光らせて動画にしてみましょう。
今回は、OpenAIのSoraを使います。
音声は必要ないので、Soraで十分なのと、Soraはストーリーボードが使えるので
細かな動画の指示をフレームごとに設定できるのがいいですね!
まずは、ロゴをかっこよく光らせます。ここではChatGPTを使い、イメージを作成します。
「ロゴの輪郭を光らせてください」
次に動画の中間の画像を作ります。
「背景から逆行が差し込み左から右にフラッシュしている様子を画像でほしい」
ここで作った画像は、Soraでスクリプトを作成させるために使います。画像は使用しません。
あとはOpenAIのSoraで仕上げます。最初と最後に画像を配置し、スクリプトを入れ込んで完成です!!
最後に動画にテロップと効果音を入れて完成
Gemini Flowの Veo3で作った動画と、OpneAIのSoraで作ったロゴにテロップと効果音を当てて完成です。
ここまででトータル1時間くらいの製作時間でできてしまいました。
最後に
最初のストーリー通りの映像に仕上げるには、あと2時間はかかるかもしれません。
今回は、予定通りの動画と全く同じ動画とはなりませんでした。
しかし、概ねイメージ通りに仕上がっていたのと、想像以上の面白いストーリーが作れていたので、
これはこれで面白いと思い採用しました。
今回製作したプロンプトでのVeo3の動画製作は、3回くらい失敗しました。
ちょっとユニークなラストシーンもありましたが、Veo3では自動で効果音や音声、BGMも指定できるので、
CMにお金をそこまでかけずに手軽につくれてしまうのも非常に魅力的だと思います。
みなさんも是非活用してみてください!
生成AIで「伝わるプロト」をもっと手軽に
今回のように、Veo3やSoraなどの生成AIを活用すれば、
“動くプロト”や“伝わるビジュアル”を、1時間でカタチにすることも可能です。
N2iでは、生成AIやAIエージェントを活用したプロトタイピング支援を行っています。
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「プレゼンやPoCで“伝わる映像”を作りたい」
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「生成AIを使ったCMやPR動画を試してみたい」
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「新規事業の構想を短時間で形にしたい」
といったニーズに応じて、アイデア整理から生成AIによる動画化まで一気通貫でご支援しています。
「うちの事業でも動画化できる?」「まずは事例だけ見たい」
という方も、お気軽にご相談ください。