以前こちらで「CRE」という職種を取り上げましたが、「カスタマーサクセス(CS)」と混同しやすい職種のようにも感じます。
今回は、CREとCSの違いについて考えてみます。
CREとCSの違いは?
まず、それぞれのミッションについてまとめてみます。
- CRE:「顧客のサービスに対する不安を払拭する」
- CS:「顧客の満足度、ロイヤリティを高めることで、チャーン防止やアップセル、クロスセルなどLTV(ライフタイムバリュー:顧客が生涯を通じて企業にもたらす利益のこと、顧客生涯価値)の最大化を図る」
いずれも、同じ顧客に向き合い、寄り添う職種であるのは間違いないですが、CREは不安を取り除くことに重きをおく一方、CSは顧客の成功体験を重視するという具合に異なる種類の顧客体験を創出するものになっています。
そして、CREはエンジニアが就任することが多い職種となっています。そもそもCREは「顧客信頼性エンジニア」という意味で、Googleが2016年に提唱した比較的新しい職種です。
SaaS企業のCREでは、CSチームが利用する管理画面の開発や、ユーザーのお問い合わせに対する原因調査が主な業務となり、お客さんの信頼を得るために何でもする職種です。
こちらの記事で、実際にCREとして働いている方の声が紹介されています。
また、こちらはとある求人からの抜粋ですが、実に幅広い業務を担当することが分かります。
【CREにおける業務に関して】
●CSには技術で改善できる領域がまだたくさん残されています。
CREは、困っているユーザーに対してCSが「人に寄り添った対応」を実現できるよう技術でサポートします。
特定の技術領域にこだわることなく、必要であればどんな技術も活用します。機械学習・AIもその一環です。
【これからCREチームが取り組んでいくこと・技術等】
●現在は次のようなプロジェクトに取り組んでいます。
・AIを用いた問い合わせ分類の自動化
・CS対応ナレッジ共有システムの開発
・CS対応品質の定量評価・分析支援
・ユーザーデータの表現を工夫した管理ツール開発
この背景には、CSの課題は後回しにされがちということがあります。というのも、CSは技術的な問題に対応できない、使用しているツールが完全ではない一方で、CSに対するエンジニアのサポートや理解が得られにくいからです。
そのため、CSと並走するための開発チームがCREとなります。