(注:この写真はタイトルとは関係なく、我が家のポケモンたちをdeepart.ioで絵画風にスタイル変換してみたものです)
AIを利用して新たなポケモンを生成された方がいたのでご紹介します。
作者は Michael Friesen さんです。
生成に利用したのは、GANの一種である「StyleGAN」です。
GANとは?
GANとは生成モデルの一種で、データから特徴を学習することで、実在しないデータを生成したり、他のデータの特徴に沿って変換することができます。
このGANは下記のふたつのモデルから構成されます。
- Generator(ジェネレータ)
- Discriminator(ディスクリミネータ)
ジェネレータは、潜在変数と呼ばれる乱数(ノイズ)を入力することで、偽物の画像(フェイク)を生成します。
ディスクリミネータは、本物の画像と偽物の画像を判別します。
GANは、このふたつのモデルを交互に競わせて学習を進めます。これにより、ジェネレータは本物のデータに近い偽物データを生成できるようになるという仕組みです。
まずジェネレータが偽物の画像を作り、それをディスクリミネータが偽物と見抜く。
するとジェネレータは、より本物に近い画像を作ろうとしていきます。
このようにふたつのモデルが「いたちごっこ」的に学習をしていくことで、最終的に本物に近い偽物の画像を作ることができるようになります。
StyleGAN
今回のポケモンの生成には、GANの一種であるSytleGANが利用されています
StyleGANがどのようなものか、NVIDIA社が公開している動画をご覧いただくと、イメージがわくかと思います。
GANはノイズから画像を生成しますが、StyleGANはスタイル画像を利用して生成画像をコントロールします。
これにより、向きや輪郭などの大局的な構造から肌や髪色などのテクスチャまで制御できるそうです。*1
このあたりも参考になりそうです。
AIが作り出した新種のポケモン
さて、ようやく本題に入ります。このStyleGANが作り出した新種のポケモンたちがこちらです。
made me some #StyleGAN Pokemon sprites pic.twitter.com/4jUL5VlLST
— Michael Friesen (@MichaelFriese10) 2019年5月12日
それっぽい感じはしますが、ちょっと不気味ではありますね。
このAIで生成されたポケモンに触発されて、実際にCGやイラストを書き起こした方もいらっしゃるようですよ。
ひときわ可愛いのがいたので描いちゃった……!
— 転寝みるく(こもりみるく)のつぶやき (@komori541milk) 2019年5月19日
ドラゴンタイプっぽい(・ω・)
It looks like Dragon type. pic.twitter.com/3A3ipHhwik
StyleGANによる「ポケモン」はまだまだ不自然な感じですが、新しいポケモンを考えるときには役に立つかもしれませんね。
GANについては過去にもいくつか記事を書いています。こちらもあわせてどうぞ。