色々な分野への利用が進んでいる人工知能ですが、とりわけ参入しやすい工程が、「何かのレシピを考える」ことだと思います。
これまでには調理のレシピ(クッキーや酒類のフレーバー)の考案を行う人工知能の発表がありましたが、今回はなんと人工知能が「新しい金属」の調合レシピの考案をするという発表がありました。
この発表を行なったのは、アメリカはカリフォルニア州マリブにあるHRLラボラトリーズ(HRL)です。大まかな流れは次のようになります。
- まず、粉砂糖のように細かいグレーの粉末を3Dメタルプリンターに投入する。(この金属の材料となる粉末の成分のほとんどはアルミニウムで、ほかにはいくつかの元素がブレンドされているそうです。これは原子のレベルにまで厳密に吟味されたものだとか。)
- それを3Dメタルプリンターを使用して層状に敷き詰め、レーザーで層同士を溶接する「積層造形」を行う。そうすることによって、数時間かかって小さなブロックができあがる。
こうして作られた素材は、ゆくゆくは自動車や航空機の部品としての利用が考られていますが、現時点では金属の粉末の品質に問題があり、そのまま利用するの現実的ではないとのこと。
そこで開発グループは、人工知能による機械学習を利用し、次世代の飛行機にどのような素材を利用するかを判断することにしたそうです。
そのために約1,000万通り(!)のレシピを導き出し、その中からどのレシピが有用かを人工知能に判断させるようにしました。
これまでの新素材の開発においては、素材の組み合わせの試行錯誤を気の遠くなるような回数行い、さらにそれを微調整していくという風に途方もない時間がかかっていたそうです。
それを人工知能のアルゴリズムにより、最初から正しいレシピで行うことで、数年単位での時間短縮に繋がったとのこと。
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